TLCカタログ
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−31. 他の分析メソッドと比較して最小限の設備で分析が可能2. すばやく、同時に複数のサンプルの分析が可能3. たった数µLのサンプルで分析が可能4. 他の分析メソッドに匹敵する感度を実現5. 標準物質との比較による仮同定が可能6. UVライトを使用すれば各成分を見ることが可能7. 腐食性の検出試薬の使用が可能TLCのアプリケーションTLC分析は一般的に下記の3つに分類されます。A) 定性分析サンプルの中に特定の成分が存在するか否かを測定します。また、その成分量の概算を測定する場合もあります。B) 定量分析サンプルに含まれる特定成分の量を精密に正確に測定します。C) 分取分析特定の成分を精製し、全ての余分な成分から分離させます。これらの分析には、サンプルの添加、クロマトグラフィーの展開、及びサンプル成分の可視化(評価)という手順が必要となりますが、導きたい結果の種類によって手順を実施する際の要件は異なります。一般的な各種要件は右表のようになります。TLCのアプリケーション例1. 各種サンプルの純度試験:TLCを使用すると、標準物質と直接比較してサンプルの純度を測定することが可能です。不純物が含まれていた場合には、余分なスポットとして現れるので検出は簡単です。2. 化合物の同定:TLCを使用すると、揮発性油、エッセンシャルオイル、不揮発性油、蝋(ワックス)、アルカロイド、グリコシド、ステロイド等の天然物の精製や分離、同定が可能です。3. 反応薬の検査:TLCでは、化学反応の進行の度合いを調べることで、反応混合薬の検査をすることが可能です。この手法を利用すると、蒸留、分子蒸留等の分離工程や精製工程を確認することも可能です。4. 生化学的解析:TLCは生化学物質の代謝物や組成を、体液、血漿、血清、尿などから分離するのに最適な手法です。8. サンプルに含まれる全ての成分を一度にすばやく、スナップショットのように見ることが可能9. 検量線を用いた定量的分離が可能10. サンプルを含む吸着剤をプレートから掻き出して、分析した成分を簡単に回収することが可能11. 厚い吸着層のプレートを使用して分取量の分離が可能要件サンプル体積サンプル量サンプル添加の精度層厚展開距離展開時間可視化タイプ成分系医薬品の分析が挙げられます。定性分析2〜50µL10〜200µg±10%250µm12cm15〜30分目視デンシトメーター定量分析0.1〜0.5µL50〜500ng分取分析50〜1000µL5〜500mg±1%150µm5cm4〜8分目視500〜2000µm15cm25〜60分目視5. 化学分野:TLCの分析手法は、密接に関係し合う化合物の分離や同定といった化学分野においても使用が増加してきています。イオン化学においても、カチオンやアニオンの同定に使用されています。6. 製薬業界:様々な薬局方において、TLC技術を採用して薬局方薬剤の不純物の検出が行われています。7. 睡眠薬、鎮静剤、抗けいれん精神安定剤、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、局部麻酔剤、ステロイド剤などの様々な薬剤の定性試験はTLCメソッドによって行われています。8. TLCにおいて最も重要なアプリケーションの一つに多9. 食品や化粧品産業において、TLCメソッドは、色、防腐剤、甘味料や各種化粧品の分析や同定に使用されています。TLCの利点TLCでは、一度のHPLC分析に要するのと同じ時間で、同時に多くのサンプルを分析することが可能です。サンプルと標準物質はHPLCのように連続的にではなく、全く同じ条件下で同時に分析されます。TLCでは常に新しい吸着剤を分析に使用します。そのため、HPLCとは異なり常に再現性のある結果を確実に実現します。HPLCで起こりうるような、カラムの吸着剤が直前に分析したサンプルからコンタミを受けたり、劣化によって分解能が低下したりするという問題は解消されます。また、より小さな展開槽を使用すれば、必要となる移動相(展開溶媒)の量はHPLCと比べてかなり節約することが可能です。TLC分析には複雑で高価な装置は必要ありません。TLC分析を成功させるために必要な費用は、HPLCと比べて十分の一から百分の一程度に抑えられます。TLCはメソッド開発も容易です。カラムを使用したクロマトグラフィーの場合とは異なり、TLCに使用されたサンプル成分は常に吸着剤に含まれた状態で存在しています。いつでも取り出して追加実験を行うことが可能です。

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